1.概略

 ブラジルの装飾用石材の生産消費はこの十年間に急速な成長をとげ, 建造物の外装, 床, 壁, 机, 台所用流しなどに広く使用されている. とりわけ外見が赤, 黄色, 緑, 青などの「有色石材」は質量ともに豊富で経済価値が高い. 連邦政府鉱山局(DNPM)は装飾石材を地下資源と認め, カタログを作成した. また, Sao Paulo, Bahia, Goias各州もカタログを作り, 装飾石材の生産販売の振興に努力している.
 植民地時代には非研磨の眼球片麻岩が建造物の柱, 窓枠, 道の舗装に使用された. 石材を屋内装飾に用い始めたのは近代で, 欧州渡来の研磨大理石を床, 階段, 台所などに使用した. 大理石の国内生産は1908年 Minas Gerais州 Mar de Espanhaで始まり, 1938年には内需の73%を賄うまでになった. 二十世紀前半までの装飾石材は大理石に限られていたので, ブラジルでは石材業者一般を「大理石屋」と呼ぶ.
 ブラジルの業界では石材を「大理石」(ポルトガル語でmarmore),「花崗岩」(granito), 「粘板岩」(ardoia)に大別する. 南端国境地帯のRio Grande do Sul 州ではこれに「玄武岩」(basalto)が加わる. 業界用語の「大理石」とは切断にダイヤモンドカッターを必要としない炭酸塩岩一般を指し, 結晶質石灰岩, 珪灰質片麻岩, 非変成石灰岩等が含まれる. 一方, 「花崗岩」とはダイヤモンドカッターが必要な珪酸塩の粗粒火成岩, 変成岩に相当し, 花崗岩類以外に閃長岩類, ドレライト, 眼球片麻岩類, メタ片麻岩類, さらにはチャーノッカイトのようなグラニュライト類も含む. 「粘板岩」は氷縞粘土岩, 粘板岩, クォーツァイトなど劈解のある岩石一般を示す. 「玄武岩」はブラジル南部特産の溶結凝灰岩である.
 「花崗岩」は「大理石」と比べ切り出しや加工が困難なため高価であるが, 研磨効果がよく光沢が長持ちするので高級石材として重用される. 「粘板岩」や「玄武岩」は「花崗岩」や「大理石」と比べると安価で, 主として床材に使用される.

 
A

C

B

D

装飾用石材の使用例:A)花崗岩 B)大理石 C)粘板岩 D)玄武岩。 A)およびD)に示した「花崗岩」、「玄武岩」の名称は商品名。岩石学的にはそれぞれ片麻岩、溶結凝灰岩。

 
ブラジルの装飾用石材
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